半分青くて半分タイ

25年半のタイでの生活を終え帰国。大好きな旅の事、グルメの事、タイでの事を綴ります。

東野圭吾ミステリーズ「小さな故意の物語」~真実の裏の哀しい嘘

この頃よく雨が降っているバンコクです。タイの雨季を本格的に感じる毎日ですが、今朝は鳥の声も聞こえる良いお天気の朝を迎えています。

今朝おきてネットを開いてみたら嬉しいニュースが飛び込んできました。三浦春馬くんが昨年10月~11月に撮影し、五大友厚を演じた映画「天外者」の公開が12月11日決まったそうです。

役作りをする中で商都・大阪の基盤を作り上げた伝説の男にほれ込み、自身の代表作にすべく並々ならぬ熱量で取り組んでいたという。

彼が演じた五大友厚の姿。よかったね、春馬くん・・公開が決まったよ。バンコクは、ここ数日間の雨模様から一転してお天気良い、爽やかな朝を迎えています。春馬くんの映画公開を祝福してくれてるようで嬉しいです。

youtu.be

ここ数日もずっと春馬くんが出演した作品を観ていました。

  • 小さな故意の物語
  • 東京公園
  • 大切なことはすべて君が教えてくれた
  • 世にも奇妙な物語 JANKEN
  • サムライ・ハイスクール

本当にどの作品も面白くて素晴らしく、改めて春馬くんの表現・演技の振り幅に驚いています。一昨日はサムライ・ハイスクールをイッキ見していて面白さにハマり、カネ恋のリアタイを忘れてしまったほど・・。(カネ恋は翌朝録画でしっかり観ました!)

今日はその中の一作品、22歳の春馬くんが高校生「中岡良」を演じた、2012年8月30日に放送の東野圭吾ミステリーズ「小さな故意の物語」について。短編のドラマながら脚本、キャストの演技の素晴らしさ、カメラワーク、音楽の美しさ、全てにおいて完成度の高い、とても心に残る作品でした。原作は東野圭吾さんの短編推理小説集「犯人のいない殺人の夜」から。2012年の7月から9月にかけて約2ヶ月間、フジテレビの木曜劇場の枠内で放送された東野圭吾ミステリーズの中の1話。「小さな故意の物語」は原作を超えた映像作品だったと仰る方もいる名作です。以下ネタバレありです。

youtu.be

春馬くんは「ガリレオ・エピソードゼロ」や「ダイイング・アイ」など東野圭吾さん原作の作品に数多く出演されています。偶然、放送当日8月30日に笑っていいともに出演していた春馬くんの映像もYouTubeで観ることができました。

 

 舞台は長野県立上田北高校。幼なじみで小学校からずっと同じ学校に通う高校3年生の中岡良、佐伯洋子、行原達也。洋子と達也が付き合い始めたことで仲良し3人組の関係も思春期になり変化し始めていた。密かに洋子に思いを寄せていた良は悩み、卒業と共にその思いから自由になりたいと思っていた。そんなある日、達也が学校の屋上から転落死した。達也が一人で屋上の縁を歩いていたとの目撃者がいたため、刑事は自殺も視野に入れて捜査をしていた。だが、達也をよく知る良には自殺は信じられなかった。どうして達也は死んだのか?良はその原因を突き止めようとする。その中で少しずつ明らかになっていく真実・・・そして哀しい嘘がもたらした小さな故意の物語・・・。


f:id:fahthai:20200924023000j:image

始まりのシーン。美しい空・景色と共に中岡良の複雑な思いが三浦春馬くんの繊細なナレーションと共に表現されています。22歳にして本当に深みのある声・・。

 

達也の死後、達也の何を見てきたのか、達也のことを本当は何も分かっていなかったのか・・と涙する良。涙を見せず「大丈夫だから。私のことは心配しないで」という洋子に、「さすがだね、洋子は。どんなときも冷静で大人で・・」と言う良に洋子は「じゃぁ、泣けばいいの?取り乱していっぱい泣けばいいの?そしたら良ちゃん分かってくれる?私が悲しんでるって事、認めてくれる?・・そうしたくても出来ない人間もいるんだよ。」

 

そんなある日、サッカー部の達也のロッカーが誰かによって荒らされた。達也の母親から達也と洋子は一緒に東京の大学に行く事になっていたと聞かされる良。達也が屋上から転落したあの日が気になり屋上に行ってみた良はそこで2年で美術部に所属する笠井美代子に遭遇する。

笠井の事が気になった良は美術部へ。笠井に達也の事を知っているなら何でも良いから教えて欲しいと言う良。「笠井さん、答えたくないなら、言わなくていい。」と伝える洋子。洋子は知りたくないのか、どうして平気なのかと聞く良に「平気じゃない。平気なんかじゃないよ」と哀しそうな顔を見せ立ち去る洋子。


f:id:fahthai:20200924123910j:image

そんなある日、達也のロッカーを荒らした犯人が判明する。偶然にもその犯人が持っていたカメラの中に、達也が屋上から転落したあの日あの時間に撮られた写真があった。そこには笠井の姿が写っていた。再び美術部を訪れた良と洋子を見て笠井は逃げ出す。そして「私が先輩を殺した」と告白する笠井。「先輩私を覚えててくれるかな」と達也を思い身投げをしようとする笠井を必死に止める良。その時洋子は「あなたのせいじゃない!」と叫んでいた・・。全てを2人の秘密にして、全てを過去にしようと約束する洋子と良。

一年後、達也の命日に再会する良と洋子。瞬く間に過ぎる時間の中で、忘れようとしても忘れられず、膨れあがった疑問を洋子にぶつける良・・・。

f:id:fahthai:20200924132446j:plain

「洋子、あの日あの屋上には洋子も一緒にいたんだよね?」

・・・・・・・・・・・・・・

「そうだよ。あの屋上に私もいたよ。」

f:id:fahthai:20200924132449j:plain

良に話し始めた洋子。そこには隠されていた哀しい嘘、せつない真実があった。そして達也の死の悲劇には、切ない小さな故意が存在していた・・。洋子から良に明かされた切ない真実と思いとは・・・。ずっと苦しみを抱えたままだった洋子の告白、それを「もういいよ、洋子・・・もう止めてよ」と聞く良の苦しみの表情・・ずっと仲良しで一緒だった3人の間に起きてしまった悲劇・・・切なすぎるシーンでした。。エンドロールの3人で寝転んだ草むらのシーンが、美しく儚くもあり、切ない。

東野圭吾原作 三浦春馬主演 「小さな故意の物語」心に焼き付く本当に素晴らしい名作です。何度も繰り返し観ています。

f:id:fahthai:20200924132454j:plain

三浦春馬くんが残してくれた作品をまた一つ観ることが出来て、本当に幸せに思います。春馬くんが一生懸命生きた30年のほんの一部かも知れませんが、また少し春馬くんの思いに近づけたような気がします。そして見終わった後は、彼がもうこの世にいないという哀しい現実を突きつけられてしまうのです。

 

小さな故意の物語で共演された大野拓朗くんの春馬くんへの追悼です。

 
 
 
この投稿をInstagramで見る

2015年7月19日。5年前の今日。 代官山でばったり会って。 コーヒー飲みながらダラダラ喋って。 凝り性で、ストイックで、笑顔が可愛らしくて、年下なんだけどとっても大人っぽくて、色っぽくて、憧れの俳優の一人でした。 ミュージカルやったり、ロンドンに留学行ったり、いつも先を越されたなと思うことばかりで。 昨年末には、ニューヨーク遊びに来てくれるって言ってたんだけどな。 尊敬の気持ち、春馬が目標である気持ちは一生変わりません。 やっと言葉にできた。 ゆっくり休んでね

大野拓朗(@takuro.ohno)がシェアした投稿 -