半分青くて半分タイ

25年半のタイでの生活を終え帰国。大好きな旅の事、グルメの事、タイでの事を綴ります。

パンデミックの影響 航空会社のお話

少し前に、デルタ航空がボーイング社の777の代わりにエアバス機を導入するという記事を読みました。アメリカの航空会社がアメリカの飛行機メーカーの機材を使用しなくなるという内容にとても驚きました。この状況下、こだわりを捨てコスパを考えると・・背に腹はかえられぬということでしょうか。でも少し淋しく感じました。

先日アメリカの航空会社で働く友人とチャットしました。今の状況下での仕事や生活のことなど・・とても興味深いものでした。タイでは一部の航空会社による一部の都市へのフライトが今月中旬から再開したばかりですが、彼女の働く航空会社では60%程減便をして運航しているそうです。ただ、満席にならないよう予約数は制限され、客室乗務員も並んでジャンプシートに座ることがないよう、機内の前3列と後ろ3列は乗務員用にブロックされ、クルー同士もソーシャル・ディスタンスをとれるように配慮されているとのことです。この状況下で、どこの国でも航空会社、旅行業、ホテル業は大きな損失を抱えて大変です。友人曰く、アメリカの航空会社は政府からの援助を受けているので、9月末までは従業員の解雇は出来ないそう。ただ、それ以降は分からないということなので、それまでには元通りとはいかずとも何とか見通しが付くような状態になって欲しいと思います。

一部で運航が再開されているタイの航空会社でも、タイ民間航空局の指示に従い機内で様々な規制を設けています。一部ですが、タイの某航空会社の場合はこのような内容の規制があります。

  • 乗客数は満席数の半数を超えないこと。
  • ソーシャル・ディスタンスを保てるよう乗客の席をアサインすること。
  • 搭乗の際に乗務員が乗客全員に消毒液を配布すること。
  • 乗務員は乗客の持ち物には触らないようにすること。(緊急な場合以外)
  • マスク着用の義務化、乗員は手袋も着用。機内でのマスク取り外し不可。
  • 機内サービス(食事、飲み物、機内販売)の禁止。持参した物の飲食も禁止。
  • 乗客は搭乗・降機の際はソーシャル・ディスタンスに配慮する為、乗務員の指示に従うこと。(通常より時間がかかる見込み)

先ほどのアメリカの某航空会社で働いている友人の話に戻りますが、興味深かったのはアメリカの航空会社には定年という概念がないということ。もちろんパイロットにはありますが、客室乗務員にはないそうです。確かに、何年も前になりますが、ユナイテッド航空を利用した際に白髪で70歳台くらいの女性の客室乗務員の方を見かけたことがありました。歩くのもおぼつかない様子で、緊急時の際にちゃんと私達を誘導してくれるのかなとちょっと不安になったことを思い出します。私の友人の同期生の中にも50代、60代の方が結構いるそう!これって凄い事ですよね~60歳でジュニアって!!もしかしたら60歳で客室乗務員未経験、それでも採用されるっていうこともあるんでしょうから・・・アメリカ人のバイタリティには脱帽。

そこで疑問なのは・・航空会社では年に一度緊急時の脱出の訓練など、セーフティに関するリカレント・トレーニングがあると思いますが、アメリカの高年齢の乗務員の方々はどうしているのかと言うこと!ちゃんと大声で叫んだり、乗客を誘導したりすることが出来ているのか。友達曰く、これまで勤めたことがあるアメリカの航空会社では、脱出のスライドを実際に滑る訓練を行うのは、基本入社時のトレーニングのみ。あと、もう一つ驚いたのは健康診断が必要ないという話。入社時もその後も健康診断はないそうです。恐らくアメリカでは客室乗務員が健康診断を受けなければならないという規定がないのであろうという話でした。健康管理は個々の義務で信頼し任されているということでしょうか。

航空会社も所かわれば品変わるといった感じで、全く違いますね~。それぞれ良い点と悪い点もあるかと思いますが、理想は自分にあった環境で、長く働けるかどうかということではないでしょうか。