半分青くて半分タイ

25年半のタイでの生活を終え帰国。大好きな旅の事、グルメの事、タイでの事を綴ります。

タイで失業手当を受給した体験談

タイで雇用されると外国人でも社会保険への加入と保険料の支払いが義務づけられています。毎月お給料から天引きされていた保険料(通常は750バーツ)の内訳は健康保険、雇用(失業)保険、老齢年金に分けられます。

昨年、長年勤務していたタイの某企業を退職し、失業保険の申請&受給をしたのでそのことについて記録に残そうと思います。昨年4月タイ労働省より新型コロナウィルス拡大の影響による休業・休職に伴う失業手当、また休業・休職の為の給付の対象にならない解雇・自主退職・有期雇用契約期間満了に伴う退職者への失業手当に関して発表がありました。

失業保険を受給できる条件は、退職前の過去15ヶ月の間に6ヶ月以上の保険料を納めていることです。また会社の都合による解雇と自主退職では受給額も異なります。

  1. 会社都合による解雇(被雇用者に非がない場合):給与(上限15000バーツ)の70%を200日分受給できる。(以前は給与の50%を180日分)
  2. 自主退職・有期雇用契約期間満了:給与(上限15000バーツ)の45%を90日分受給できる。(以前は給与の30%を90日分)

どんなに給与が多くても上限が15000バーツと決められている点は、辛いところですが、保険料を納めてきた者の権利なので申請しないという選択はありません。ただし、上記の条件で失業手当を受給出来る期間は202年3月1日~2022年2月28日までとあります。これは新型コロナウィルスが影響を及ぼすであろう期間の処置のようなので、それ以降は以前と同じ条件になるのではないでしょうか。

今回参考にさせて頂いたウェブサイトはこちらです↓

引用元:タイにおける失業手当受給について | One Asia Lawyers

 

私が退社してから失業手当の申請・受給の為に実際に行った内容を記したいと思います。準備した書類は次の通りでした。

  • 申請用紙 (労働局の失業手当申請カウンターで頂きました)
  • パスポート原本とコピー
  • ワークパーミットのコピー(私の場合、デジタル・ワークパーミットがキャンセルされた後に失業手当の申請をしなければなりませんでしたが、事前に用意しておいたコピーのみで大丈夫でした)
  • 社会保険カードのコピー(デジタル化でここ数年社会保険カードを会社からもらっていなかったため、まだ手元にあった数年前の社会保険カードの原本とコピーを持参しました。友人は社会保険番号(Social  Security Number)を口頭で伝えただけですが、大丈夫でした)
  • 振込先銀行口座通帳の原本とコピー

失業手当受給の申請は退社後30日以内に済ませる必要がありますが、勤務先から労働局への連絡処理があるため退職後1週間ほど待って申請するようにと人事部から言われました。支給されていた制服などを返却する為、退社10日後に会社を訪れる予定があったので、その帰りにすぐ近くにある労働局(ハローワーク)で申請することにしました。

向かったのはVibhavadi Rangsit通りにあるPongsupee Building2階にある労働局の事務所です。

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Pongsupee Buidlingの2階に労働局の事務所があります。

 

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2階にある労働局事務所の入り口

入り口を入ってすぐ左に失業手当申請のカウンターがあります。係員の方に失業手当申請の手続きに来たことを告げ、持参した書類を提出し、申請用紙に記入しました。

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失業手当申請のカウンター

手続きが終わると月一で6回(私たちの場合は途中でもう一回加えられて全7回になりました。コロナの影響による退職だからだと思われます)にわたる出頭日が書かれた用紙を渡されるので、次回から出頭日には必ずこちらの用紙とパスポートを持参します。パスポートを持参すれば係員の方が顔写真のページと最新のビザのページをコピーして下さるのでそれに署名をします。私は時間短縮のため、自宅で用意したコピーに署名をして毎回持参していました。加えて本来であれば被保険者が記入すべき書類がありましたが、毎回係員の方が代わりに記入して下さり私は署名をするだけでした。

私は8月10日に申請をし、第1回目の出頭日は一か月後の9月9日でした。出頭は指定された日の前後7日以内であれば問題ないということで、指定日が土日になった場合は前後の平日、旅行などでバンコクにいない場合は指定日の前後7日以内に出頭出来るようにしました。

ちなみにタイ人と外国人の失業手当申請の大きな違いは、タイ人であればアプリで申請も出頭レポートもできてしまう点です。残念ながら外国人の場合はアプリでの申請も出頭レポートもできないということで、毎回労働局に出向くことになりました。

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タイ人の友人達が失業手当申請・出頭レポートに使用したSocial Securityアプリ

実際に私が労働局に出頭した日、(指定されていた出頭日)、手当が振り込まれた日、金額は次の通りでした。

  • 1回目:9月9日(指定日9月9日)→ 振り込み&金額:9月28日 12350バーツ
  • 2回目:10月14日(指定日10月9日)→ 振り込み&金額:10月26日 10850バーツ
  • 3回目:11月10日(指定日11月8日)→ 振り込み&金額:11月19日 10850バーツ
  • 4回目:12月8日(指定日12月8日)→ 振り込み&金額:12月23日 10500バーツ
  • 5回目:1月7日(指定日1月7日)→ 振り込み&金額:1月19日 10500バーツ
  • 6回目:2月8日(指定日2月6日)→ 振り込み&金額:2月17日 11200バーツ
  • 7回目:3月11日(指定日3月8日)→ 振り込み&金額:3月12日 5250バーツ

他の方のブログにも書かれていたように、やはり振り込まれる手当は毎回同額ではありませんでした。同日に出頭した友人であっても振り込まれる金額が異なる事もありました。どういった基準で、計算方法になっているのか、正確には分からず本当に不思議でした。笑 タイ人の友人曰く各回の振込額はそれぞれ違っても最終的な合計金額は同じくらいになるはずだと・・・なかなかのアバウトさです。笑 また出頭してから手当が振り込まれるまでの期間もまちまちで、7回目以外は1週間から2週間ほどかかりました。2週間を過ぎても振り込みがない場合は、出頭日が書かれた用紙にある問い合わせの番号に電話すると親切に調べてくださいます。(なかなか電話に出てくれないのでは・・と思っていたので、失礼ですがビックリしました!)私の場合、第1回目の振り込みがなかなかされなかったので問い合わせをすると、なんと元勤務先から退職したという連絡が来ていないということでした。元勤務先にその旨を伝えて労働局に連絡をしてもらい、数日後には無事振り込みがありました。

私達の場合、一応会社都合による解雇に当てはまったので、計算方法は次の通りになるとタイ友が教えてくれました。

  • 15000バーツx70%÷30日=350バーツ/日
  • 350バーツx200日分=合計70000バーツ

・・・という予想だったので、私の実際の合計金額71500バーツは妥当なのかなと思いました。

タイで就職してタイで退職して失業手当を受給・・等など、タイでは様々な経験をさせてもらったと思います。先のことにはなりますが、老齢年金の申請も忘れず行いたいと思います。笑

私はタイの企業で周りに日本人の同僚がいない環境の中、約10年ほど働いてきたので、常にアンテナをはり様々な情報を自ら入手して交渉する事の大切さを感じてきました。日本で新しい生活を始め、とても守られた環境に身を置かせてもらっている気持ちですが、色んな情報を受け入れる姿勢や行動に移す姿勢は変わらず持っていたいと思います。