半分青くて半分タイ

25年半のタイでの生活を終え帰国。大好きな旅の事、グルメの事、タイでの事を綴ります。

2021年 信州・まつもと大歌舞伎

2021年6月、3年ぶりに信州・まつもと大歌舞伎が開催されました。2008年の第一回公演から2年に一度の割合で続いている歌舞伎の公演。昨年はコロナの影響などで実現ならず、ようやく今年約3年ぶりに幕が上がりました。

私にとって初となった信州・まつもと大歌舞伎。ずっと地元で観たいと思っていながら海外在住だったためなかなか実現できず、今年ようやく夢が叶いました。都合でチケット販売開始時にオンラインできなかったものの、なんとか千穐楽の公演のチケットを購入することが出来ました。場所はまつもと市民芸術館です。演目は2008年の第一回公演と同じ「夏祭浪花鑑」です。「夏祭浪花鑑」は、2008年の第一回公演で十八代中村勘三郎さんが団七九郎兵衛を演じた演目です。今回は団七九郎兵衛を中村勘九郎さん、団七の女房を中村七之助さん、一寸徳兵衛と女房のお辰を尾上松也さん(2役)を演じられました。信州・まつもと大歌舞伎の特徴は東京で先行上演されるコクーン歌舞伎に新たな演出を施した松本版。その中で特別な役割を担っているのが市民キャストです。舅の義太夫を殺した団七が、通りかかった祭りの御輿の人混みに紛れて逃げてゆく場面で登場した市民キャストの方々、舞台上で踊りに興じる姿は躍動感にあふれ、今回の演目の印象的なシーンの一つでした。

千穐楽、まつもと市民芸術館へ。

f:id:fahthai:20210828135241j:plain

f:id:fahthai:20210828135304j:plain

色鮮やかな歌舞伎の幟。芝居を観るテンションが上がります!

f:id:fahthai:20210828135520j:plain

信州・まつもと大歌舞伎 まつもと市民芸術館入り口

まつもと市民芸術館の玄関前にはとても立派な舞台が飾られていました。松本市の重要有形民俗文化財に指定されています。

f:id:fahthai:20210828134803j:plain

重要有形民俗文化財「松本城下町の舞台」

f:id:fahthai:20210828134751j:plain

市民芸術館入り口脇には役者さん達の幟も。

f:id:fahthai:20210828135515j:plain

入り口付近に設置されていた茅の輪

無病息災、厄除け、家内安全を祈願する茅の輪くぐり。この時期、神社でも設置されているところを見ました。

f:id:fahthai:20210828134836j:plain

新型コロナのためいつもより縮小された縁日横町。なかなか活気がありました。

f:id:fahthai:20210828135137j:plain

縁日横町内に飾られていた浮世絵「夏祭浪花鑑」

日本浮世絵博物館の協力によるもの。残念ながら今は臨時休館中の松本市の日本浮世絵博物館。再開されたらぜひ行ってみたいです。松本まるごと博物館パスポートで確か利用出来たと思います。博物館パスポートを使って松本城に行った際のブログ↓

fahthai.hatenablog.com

お目当てだった信州・まつもと大歌舞伎のオリジナルグッズは迷っている間に売り切れ。苦笑 素晴しいと思うのは出店者がオリジナル商品を考案して、中村勘九郎さんの所属プロダクションや実行委の認証を受け公式グッズとして販売する仕組みが構築されているところ。信州・まつもと大歌舞伎を一緒に築き上げてきた信頼関係を感じます。

f:id:fahthai:20210828134815j:plain

オリジナルのお茶やお菓子を販売されていた店舗にて

開演まで時間がありましたが早めに座席に着くことに。チケット確認の際に頂いた光るうちわ。千穐楽を盛り上げるために配布されたアイテムです。感染対策もパーフェクト!

f:id:fahthai:20210828135028j:plain
f:id:fahthai:20210828134945j:plain

f:id:fahthai:20210828135053j:plain

記念の「夏祭浪速鑑」オリジナルうちわも頂きました。

そして演目「夏祭浪花鑑」楽しませて頂きました!!これまで数回程度しか観たことがない歌舞伎ですが、楽しんで観劇できました。舞台って本当にいいなぁと感じるのは、私達観客と舞台の上の役者さん達、舞台に関わったスタッフが同じ空間で一緒に感動、喜びを分かち合える点です。これは撮影済みのドラマや映画ではなく、目の前で繰り広げられるライブだからこそ味わえる最高の幸せ。こんな研究結果があるそうです。観劇やライブに行くと寿命が延びる・・・舞台は生き物、その瞬間は2度と訪れない・・舞台が与えてくれる感動を経験すると、そうかもしれないと本当に思えます。

カーテンコールでは役者の皆さん、演出家の串田和美さん、松本市市民キャストのみなさんが舞台上に勢揃い。我々も拍手と光るうちわで感謝の気持ちを伝えました。勘九郎さんの「生きてまたお会いしましょう」というお言葉。このような状況の中、決して大げさではないその言葉が心に響きました。

そしてこの日は舅の義太夫を演じられた笹野高史さんのお誕生日でした。お祝いの垂れ幕も用意されていて、とても喜んで下さいました。我々観客をバックに携帯電話でお写真を撮っていらっしゃいました。笹野さん、おめでとうございます!

f:id:fahthai:20210828135115j:plain

笹野高史さんのお誕生日をお祝いする垂れ幕も。

 観劇後はソーシャル・ディスタンスを保つためセクション毎の退場となりました。まつもと市民芸術館の主ホール、改めていい劇場だなぁと思いました。どの席でも舞台を楽しめるように設計された素晴しい劇場だと思います。市川海老蔵さんがいらっしゃる度にブログで言及して下さいますが、十八代中村勘三郎さんが愛して下さった劇場です。

f:id:fahthai:20210828134857j:plain

 

 

現在長野県も多くの地域が感染警戒レベル5、まん延防止等重点措置の一歩手前です。来月末にはレミゼラブルの松本公演、大千穐楽をこの松本で迎えることになっています。どうか無事舞台が行われますよう、この状況が良くなることを祈るばかりです。