半分青くて半分タイ

25年半のタイでの生活を終え帰国。大好きな旅の事、グルメの事、タイでの事を綴ります。

ニッカウヰスキー余市蒸溜所 見学

2014年9月から始まった朝ドラ「マッサン」の影響で日本にもウィスキーブームが起こりました。私も途中から「マッサン」にハマり、ウィスキーの美味しさに目覚めた者の一人です。

今日はこれまでに3度訪れたことのあるニッカウヰスキー余市蒸留所見学について記そうと思います。日本のウィスキーの父、そしてニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝氏がウィスキーづくりの理想郷として選んだ場所、余市。私が訪れたのは「マッサン」が放送されていた2015年3月と2ヶ月後の5月、2018年5月の3回です。はじめの2回は電車を利用して行きました。札幌から小樽まで快速を利用し、小樽でJR函館本線に乗り換えて余市へ向かいました。小樽から余市の間の電車数はかなり少ないので、この路線の電車の時間にあうように札幌を出発しました。3回目の時は札幌から出ている高速バスを利用しました。バスの方が所要時間はかかりますが、乗り換えなしで座ったままで行けるので余市のみを目的にするならこちらがお勧めだと思います。もし、小樽によってチョと美味しい海鮮を食べようと思うなら電車がいいですね。

余市駅からは7分ほど。高速バスの最寄りの駅からは数分の場所にあるニッカウヰスキー余市蒸溜所。私が初めて訪れたのは2015年3月下旬でした。まだ雪が所々に残っている時期で、ちょうど朝ドラ「マッサン」があと1週間で終わるというマッサンブーム&ウィスキーブームが最高潮の時でもありました。加えて前年2014年に続いてワールドウィスキーアワード2015でも竹鶴ピュアモルト17年がワールド・ベスト・ブレンデッドモルト・ウイスキー賞を獲得したと発表され、このニッカウヰスキー余市蒸留所見学は大人気でした。

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ニッカウヰスキー余市蒸留所 石造りの正門

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正門を入ると目の前にはキリン塔(ピートを燃やした煙で麦芽を乾燥させる乾燥棟)

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正門を入ってすぐ左に見学者待合室がありました。予約した見学の時間になるまでその中に展示されているパネル等を見ながら待ちました。

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待合室にはマッサン役の玉山鉄二さん、エリー役のシャーロットさんのサインも。

蒸溜所見学はキリン塔から始まり、ポットスチルによる蒸溜でできた原酒をオーク材の樽に詰めて熟成させる一号貯蔵庫までと、ウイスキー博物館、ウイスキーの試飲を加えた約70分程でした。女性のガイドさんの案内を興味深く伺いながら同じ時間帯を予約した方々と見学しました。

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ニッカウヰスキー余市蒸溜所内地図&見学行程

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しめ縄のかけられたポットスチル(蒸溜器)

広島の酒蔵が実家だった竹鶴政孝は日本酒と同様にウイスキー作りにも神の手が必要だと考えていたのだとか・・。余市蒸溜所では世界的にも希な石炭直火蒸溜が行われているそうです。これは竹鶴氏が初めての実習先だったロングモーン蒸溜所で学んだもので、800度近い高温で蒸溜する・・・それにはその温度を保ちながら石炭をくべる熟練の職人技が必要で、その結果重厚なコクと香ばしさを持つ余市モルトが出来るんだそうです。

混和棟から1号貯蔵庫へ行く通り沿いにはニッカウヰスキーの前身となる大日本果汁株式会社設立当時に建てられた旧事務所、以前は研究室(ブレンダー室)として使われていたというリタハウス、余市川を隔てた山田町から移築されたという旧竹鶴邸、竹鶴政孝像などがありました。旧事務所とリタハウスは耐震性の問題から中に入ることは出来ませんでしたが、旧竹鶴邸は玄関ホールに入ることができました。

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大日本果汁株式会社の設立当時に建てられた旧事務所

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様々なウイスキーがうみだされた旧研究室「リタハウス」

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余市蒸溜所内に移築された旧竹鶴邸

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旧竹鶴邸ちかくにある竹鶴政孝像

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貯蔵庫まで見学した後はウイスキー博物館へ。中はウイスキーづくりについて興味深い展示がされているウイスキー館と竹鶴政孝とリタの歩んだ軌跡に触れることができるニッカ館に分れています。博物館に入ると大きなポットスチルと棚に並べた多くの樽、そしていくつものウイスキーの香りをかぎ分けることの出来るブレンドの名人、キング・オブ・ブレンダーのがパネルがあります。

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ブラックニッカのラベルに描かれている「King of Blenders」

マッサンにハマってウイスキーにも興味を持ち始めたこの頃は、ウイスキーについてほとんど知りませんでした。この見学でウイスキー作りの工程はもちろんのこと、ウイスキーに関する様々な興味深い情報を得ることが本当に楽しかったです。例えば、

*スコッチウイスキーとはモルトウイスキー(大麦麦芽のみを原料とする)とグレーンウイスキー(トウモロコシなどの穀類を主な原料とする)が混和されたブレンデッド・ウイスキーであるということ。グレーンウイスキーは比較的安価な原料で効率よく作る事が出来たため、モルトウイスキーとブレンドされるようになった。

*同じ蒸溜所で作られたモルトウイスキーの混和をシングルモルトウイスキーといい、複数の蒸溜所で作られたモルトウイスキーの混和をピュアモルトウイスキーという。シングルモルトウイスキーにはその土地の名前が付けられる・・例えばニッカの余市、宮城峡、サントリーの山崎、白州など。

*世界5大ウイスキー産地はスコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本。英語のウイスキーのスペルも産地によって違う。スコットランドとカナダは「WHISKY」、アイルランドとアメリカは「WHISKEY」と書く。

それじゃ、日本は? ヒントは日本のウイスキーの父、竹鶴政孝がウイスキーづくりを学んだのはスコットランド・・ということで日本での表記はスコットランドと同じ「WHISKY」・・等など。

ウイスキー館にはスコットランドの伝統的なパブのイメージで作られた空間「ウイスキー倶楽部」があり、色々なウイスキーを有料で試飲することができました。

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↑こちらは2018年に再訪した際にウイスキー倶楽部に飾られていた竹鶴政孝さんと彼を演じた玉山鉄二さんをコラボして描かれたアートです。とても素敵でした。

ウイスキー館に続いてニッカ館へ。

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竹鶴政孝氏&リタさんが愛用された品の数々

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中にはウイスキー作りについて絵を交えて詳細に書かれた竹鶴ノートも。

日本で本物のウイスキーを作るという夢を持ち、単身スコットランドに渡りウイスキー作りを学んだ竹鶴政孝氏。ひたむきに学ぶ彼をかつての英国首相が「頭の良い日本青年が、1本の万年筆とノートでウイスキー作りの秘密を盗んでいった」と讃えたほど。これがその竹鶴ノートです。

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かつて研修室であった「リタハウス」でうみだされたウイスキー達

写真左はニッカウヰスキーの第1号ウイスキーの「Rare Old Nikka Whisky」右は「スーパーニッカウイスキー」です。ボトルの中のウイスキーが目減りしているのがわかりますが、これは長い年月の間に水分・アルコール分が蒸発するからだそうです。これをまるで天使がこっそり飲んでしまったように例えて「エンジェル・シェア(天使の分け前)」というのだそうです。なんか、素敵ですね。

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展示されていた中で一番好きだったスーパーニッカのポスター

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ワールドウイスキーアワードで最高賞を獲得した竹鶴ピュアモルト17年

博物館見学の後はお待ちかねのニッカ会館での試飲タイム。2015年に訪れた際はたしか、鶴、竹鶴、余市の3種類の試飲ができたと記憶しています。ちょっと自信ないのですが・・。2018年の5月に再訪した際は余市、スーパーニッカ、アップルワインの3種類でした↓

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それぞれのウイスキーに合う飲み方も紹介されていたので、お勧めの飲み方を試してみました。アップルワインはハイボール、スーパーニッカは水割り、余市はトワイスアップで頂きました。美味しかったです。

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こちらは2015年の試飲の時。おつまみは有料です。

ガイドさんのご案内は試飲会場に入るまで。その後はゆっくり試飲を楽しんで、最後にお土産ショップでいくつか買い物をして終わりました。これは初めて行った見学の際に買った品々。

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その夜、泊まった定山渓の温泉宿で広げて見たお土産の数々。幸せでした。

そして翌日朝しっかり「マッサン」を見ました。ニッカウヰスキー余市蒸溜所見学を終えてからのマッサン。更に視聴に熱が入りました~。

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朝の連続テレビ小説「マッサン」

北海道が好きな方、ウイスキーに興味がある方には絶対お勧めのニッカウヰスキー余市蒸溜所見学です。

Fah Thaiはこれからもウイスキーを愛飲していきたいと思います。